みんなおんなじ、みんながんばってる。

先生は、どうしようも無いこともある。と言った。

私はこれまで何回か流産の経験がある。

不育症の検査をした事もある。

けど、その時は特に原因は分からないと言われた。

でも、一度は無事出産できたとはいえ、こんなに何回もある事なのか。

なんだったら、そのうまくいった一度の出産ですらも切迫早産の入院をした。

ふがいなかった。

自分のせいで赤ちゃんを苦しめてるんじゃないだろうか。

赤ちゃんだけじゃない。みんなに迷惑をかけてる。漫画では描ききれないけど、先生の前でほんとオイオイオイオイ泣いた。

先生は紹介状を読んだり羊水検査の前の診察で今までの私の経歴や赤ちゃんの心配な所全てわかっている。

全部わかってる上で、こう言ってくれたのかもしれない。

流産は誰にもどうしようもない事もある。

でもまだ生きてるじゃない。お腹の子は頑張るってしがみついてくれてるしゃない。

どうしようもない事もあるけど、前を見るしかないじゃない。

ほんとそうだよな…。

ひとしきり泣いたら、今度は大部屋という事をようやく思い出す私。

恥ずかしくて死にそう!!

できる限りみんなに聞こえるように「お騒がせしてすみません!」と言ったら、シーン…。

くぁーーーー!

でも、いいの。

経験上、こういう入院中てみんなそんなにカーテン開けないんだから。このまま貝のように退院の日まで閉じこもって生きよう。

…と思ったら、ポツポツ返事が返ってきた。

「私も良く泣いてます。」

「がんばりましょう。」

「気にしないで。」

「大丈夫ですよ。」

その言葉ひとつひとつはじんわりと私の胸を温めた。わたし、一人じゃないんだなー…みんながんばってる。


【この話の続き】
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